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みなさんこんにちは。
すっかり秋深し…のロンドンの華子です。

9月に行われたスコットランドの独立の是非を問う国民投票。日本でもたくさん報道されたと思います。皆様、「突然!」スコットランドについて詳しくなってしまったのではないでしょうか…?

10年以上前にイギリスに来たばかりの頃、「いぎりす」という音の響きから、「イギリス」=「イングランド」という印象が強く、スコットランド出身者に「あなたはイギリス人だから…(云々かんぬん)」という意味で「Because you are English,・・・」と言ってしまって後で注意されたことがあります。「イギリス人」と言いたいときに「イングリッシュ」と言うのは間違いであることを知った瞬間でした。

「英語」を意味する「イングリッシュ」を別にすれば、「イングリッシュ」は「イギリス人/イギリスの」という意味ではなく、「イングランド人/イングランドの」という意味です。「イギリス(英国)の」と国の総称で言いたい場合は「ブリティッシュ」と言わなくてはいけないと知り、以後ずっと気を付けています。

この辺、イギリス人は大変繊細です。

イギリスのことを「UK」と書いたり呼んだりしますが、これが「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」の略で、4つのカントリー(国、というと少し違う気がします)の連合王国なことは住んでいると実感することがあります。一国なのに4カントリー(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)が別々に予選に参加するサッカーワールド杯しかり、独自言語をキープするウェールズしかり。

歴史を紐解くと、特にイングランドとスコットランドには血塗られた歴史があることがわかり、積年の思いがあっての今回の独立の是非を問う選挙だったのですが、イングランド側でこの国民投票を見ていると、いつものとおり(←いつもそうですが)ロンドン在住イギリス人はとっても冷めた感じでした。

スコットランドで大騒ぎだったことは理解できるのですが、同じ連合王国の首都は「…独立して、どうするんだろう?いろんな問題をスコットランドだけで片付けられると思ってるのかな?」という冷やかな目線。新聞やテレビでたくさん報道されていましたが、一国が分断してしまうかのカギとなる投票その日が至っても、フツーに機能していたロンドンでした。(←この辺、日本でニュースだけ見ているとちょっと違う感覚だったと思います。)

…といろいろありましたが、結局しばらくは同じ「連合王国」としてやっていくことになったスコットランド。食べ物の面では一体どんな国なのでしょうか?いくつか「代表的」と言われている食べ物をご紹介したいと思います。

<お食事系>

*    ハギス

ガイドブックにスコットランドの食べ物の代表としてトップに書かれている食べ物です。茹でた羊の内臓(心臓、肝臓、肺)のひき肉にしたもの、オート麦、玉ねぎ、ハーブ類を刻み、牛脂とともに羊の胃袋に詰めて茹でるか蒸したプディング(詰め物料理)です。

内臓は主として肝臓が使われていますが、心臓や腎臓を使う場合も多いそうです。スコットランドではスーパーでビニールパック詰めのものが手に入ります。ウィスキーとの相性がよく、ウィスキー付きでサーブされることも多いそうです。

さて、肝心の味なんですが…レバーが嫌いな人は基本ダメだと思います(=私はダメでした涙)。でも逆にレバー好きな人(レバーパテとかレバーソーセージとか)が好きな人は大好きな味だと思います!いろんな香辛料が入っているので、その辺も好みはあると思いますが、この「くせ(というか独特のくさみも含め)」の好みで意見が分かれる食べ物です。


↑この見かけをどうとるかも。粗びきのレバーソーセージ、オーツ麦入りという感じです。


↑こんなのもあります。ハギス味のポテトチップス。

*サーモン

四方を海に囲まれた島国なのに、店頭に並ぶ魚の種類はイマイチ…なイギリスですが、鮭は別格です。日本では最近目にする鮭のお寿司もイギリスではかなーり前から人気だったりと(ほかのネタがないからとも言えるんですが…)、鮭はとても身近です。

スコットランド産のサーモンは、「アトランティックサーモン」(タイセイヨウサケ属)という種類で、冷たい大西洋の水で育つので脂がのっていて肉厚です。


↑スコットランドは釣りの名所としても人気。中でもワイルドサーモン釣りは釣り人の憧れです。

ではイギリス人はどうやって食べているか?というと、そこはイギリス人なので(笑)、スモークサーモンを買ってきてパンにはさんだり、そのままオードブルとして食べるのが一般的です。空港やスーパーで手軽に購入できて日持ちもするので、お土産におすすめです。生の鮭をお料理する場合の定番は、焼くか蒸した鮭に、ディル(ハーブ)等の刻んだハーブ類が入った生クリームのソースをかけたもの、またはフィッシュケーキが定番です。


↑フィッシュケーキ。じゃがいもサーモンをコロッケのようにまとめ、パン粉を付けて焼いてあります。日本人も大好きな味です。

*ハドックの燻製

ハドック(Haddock)とはモンツキダラのことで、大西洋で獲れるタラの一種です。イギリスで最も手軽に手に入る魚の1つですが、この燻製は日本人にもとっても合う味です!脂が乗っているタラ(ややサバにも似た味です)を燻製にしたもので、塩気といい、じゅわっとした脂の乗り具合といい、白いご飯にぴったりな味なのです!

このハドックの燻製はイギリス全土どこのスーパーでも必ず置いてある定番ですが、本場はスコットランドです。スコットランドでは朝食として食べることも多いそうです。

パンと一緒に食べたり、タルトに入れたり、クリーム系のスープに乗せたり一緒に煮込んでチャウダーにしたりして食べるのも一般的です。


↑ハドックの燻製のチャウダー。燻製の香りが生クリームのコンビネーションでまろやかになります。

<お菓子系>

*ショートブレッド

日本でも海外食材が豊富なスーパーでよく見るお菓子だと思います。「ブレッド」という名前ですがパンではありません。バターの香りが「超」濃厚、さくさく感とドスンとくる甘さのコンビネーションが素晴らしいクッキーです。


↑最も有名なブランド「Walkers」のショートブレッド。スコットランドを思わせるデザインのパッケージ。

でも日本で買うと高いですよね。こちらでは高級ブランドのお高めなものもありますが、大手スーパーがプレイベートブランドのショートブレッドを各社発売しており、手ごろな値段でおいしいものもたくさんあります。


↑お高めブランド:紅茶で有名な「フォートナム&メイソン」のショートブレッド。£6.95(約1200円)。


↑イギリス最大のスーパーマーケットチェーン「Tesco」のプライベートブランド。65ペンス(約110円)。

*ダンディーケーキ

スコットランドのダンディー(Dundee)という街が発祥のフルーツケーキ。マーマレードやオレンジの皮がたっぷり入ったケーキの上にびっしりとアーモンドが飾られているのが特徴です。ダンディーの名産品として知られる「ダンディー・マーマレード」の製造会社「キーラー社」が、マーマレードを作った時に出る原料の余りを利用しようとして考案されたケーキだそうです。


↑キーラー社のマーマレード

スコットランドだけでなく、ロンドンでもよく見かける程一般的なケーキです。見かけよりさっぱりあっさりしているのが特徴。つまり、いくらでも食べられてしまうので大変危険です…笑。

*セルカーク・バノック

「バノック」は、大きく丸く膨らんだ平べったい形の手早く焼けるタイプの焼き菓子を指すのですが、スコットランドのお菓子として知られる「セルカーク・バノック(Selkirk Bannock)」はレーズンとバターがふんだんに使われたふわっとしたパンのような食感のケーキです。

イギリス全土で手に入ります。最初のセルカーク・バノックを作ったのはセルカークにある「Robbie Douglas」というお店だそうです。ヴィクトリア女王にこのケーキは大変気にいられ、瞬く間に英国全土に広まったと言われています。ちょっと甘めの干しブドウパンのような食感。口当たりもよく、これまた大変危険なケーキです(笑)。

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代表的ないくつかの食べ物をご紹介しましたが、共通するのは「寒い土地で美味しい」ものだと思います。スコットランドはイングランドの北にあり、もちろん気温もロンドンよりずっと低いんです。冷たい水で育つ魚や、バターたっぷりのお菓子等、寒い土地でも美味しく楽しく生活しようとしたスコットランド人の工夫が見えてきます。

「美味しい物を食べにスコットランドへ!」という熱い思いでスコットランドへ旅行する日本人はそんなにいない気がしますが、でも探せばたくさんその土地ならではの美味しいものに出会える場所です。今回紹介していませんが、お酒、特にウィスキー好きな人にはたまらない場所だと思います。

こんな食べ物を食べている寒さ厳しい土地で、長年の「独立」への思いを賭けて行われた国民投票だったんです。独立は否決されましたが、55.3%の反対、44.7%の賛成と僅差でした。16歳以上が投票出来、85%の投票率という高さも話題になりました。

イングランド側のイギリス人と一緒に冷めた眼差しで傍観していた私ですが、スコットランドでの生活を思いつつこの数字を眺めると、また違った感慨が生まれるような気がします。

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次にお目に掛る時はハロウィーンの季節です。皆様風邪などひかずに、秋を楽しく過ごせますように…!ではまた来月~!

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