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Potency  Network「世界とつながろう!」

皆さま、こんにちは。



6月になって、毎日20度前後とやっとやっと暖かいロンドンです。暖かくなると同時に本格化するのが「花粉症」。日本に遅れること3カ月、やっと(?)花粉症シーズンも到来しました。

かくいうワタクシも先週からクシュクシュ・ムズムズ。実は小学4年生からずっと花粉症と共に生きてきました。イギリスに来たことで「治るかな??」と期待したのですが、ワタクシの中のアルゲンが大人しくしててくれればいいものを律儀に仕事をしてしまい、イギリスに来た最初の春から毎年欠かさず発症しております(迷惑です…笑)。こちらは90%が芝花粉が原因だそうで、公園に行くときは「絶対薬持参」で臨んでます。暖かくてかゆい季節はもうしばらく続きます…。


↑公園を歩くたびにムズムズ、クシュクシュしています。

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花粉症の話題から入りましたが、今回は「糖尿病関連食品 in UK」についてです。

糖尿病には1型と2型があり、患者の90%以上が2型です(1型と2型については→コチラを参照下さい)。私の父(日本在住70代)は30年来の糖尿病(2型)です。本人&母が食事療法を頑張っている姿を見てきましたが、数年前にわたくしと同世代の友人(日本)も同じ2型を発症し、彼女の物凄いリサーチ力による様々情報が私の耳に入るようになりました。

友人のブログ「どうも、わたしです。」 – 糖尿病患者用レシピがたくさん載っています。

これをきっかけにイギリスの糖尿病食にまつわる環境・状況が気になり始めたのですが、日本と同じこと、違うことが見えてきたので、今回「食」を中心に糖尿病周りをまとめてみようと思います。

<糖尿病患者の割合&医療環境>

日本同様イギリスでも糖尿病は大きな社会問題になっていますが、調べてみると糖尿病有病者の割合は
日本:7.6%
イギリス:5.38%
フランス:7.17%
イタリア:7.71%
アメリカ:11.39%
中国:9.32%
世界全体:8.33%
(「IDF DIABETES ATLAS」より引用)

と、イギリスは意外にも?世界平均以下、日本より少ない割合でした。意外?と感じたのは、ふくよかな体型の人やいわゆる「ビール腹」率は日本より断然高い印象があるからです。(注:糖尿病は生活習慣病の1つと言われていますが、肥満=糖尿病という意味ではありません。)

英国は、基本的に医療は無料です(薬は一部自己負担)。予防のために定期的に検査をすることを推奨されている病気は多々あるのですが、糖尿病チェック(HbA1c検査、血中脂質検査、腎臓機能検査を含む)はその1つです。そして一度糖尿病患者と診断されると病院での定期検査だけでなく、自宅用の血糖値測定器キット(測定器、穿刺器、穿刺針、試験紙-この4点セットがないと自宅で血糖値測定は出来ません)が無料で支給してもらえます。穿刺針、試験紙は半年分づつ永遠に支給されるのです。


↑血を試験紙に付けて測定します。

これは日本にはないサービスです。測定器用の使い捨て試験紙と針は1回の測定で、通常100 円以上のコストが掛かります。毎食前・食後測定している人は1日6回(就寝前も加えて7回の場合も)、慣れてくると1日1回~3回の測定が勧められるそうですが、患者にとっては負担です。(インスリン注射をしている人のみ、1日1回~4回の測定回数を決めて、血糖値測定器の購入代金や測定の時に必要な消耗品≪穿刺器、穿刺針、試験紙、消毒綿≫などの費用が保険の適用になります)在英邦人で糖尿病患者の人が「この無料サービスを知った時に驚いた!」と言っているのもうなづけます。

イギリスの医療システムについては→コチラ(在英日本大使館サイト)をご参照ください。

<糖尿病の食事療法の傾向>

これまでは「①カロリー制限による食事療法」が主流でしたが、近年「②糖質制限(ローカーボ)による食事療法」も広く認知・実践されている、という状況は日本もイギリスもほぼ同じです。イギリスでは2003~2004年頃にローカーボ・ダイエット「アトキンス・ダイエット」が大流行しました。流行の理由はイギリス人の食生活に適応しやすかったことがあげられますが、この経験から糖質制限食は既にイギリス人にはなじみ深く、「②糖質制限(ローカーボ)による食事療法」が受け入れやすい土壌となっています。

アトキンス・ダイエットついては→コチラをご参照ください。

注:下記に値段表示をしているものがありますが、6月24日現在1ポンドは195.35円(シティバンク)です。しかし、1ポンドは100円の感覚でイギリスでは使われています。

<糖尿病患者サポート食品 in the UK>

イギリスで「糖尿病患者サポート食品」を指すとき、「①カロリー制限による食事療法向けの食品」、「②糖質制限(ローカーボ)による食事療法」向けの食品、そして両をカバーするもの(低糖・無糖甘味料など)があげられます。あまり料理が得意でないと言われているイギリス人らしく、テイクアウト食品、レトルト食品、調理済でそのまま食べられるものが人気ですが、レシピ本なども多々出ています。

*低糖・無糖の人工甘味料 – カフェで無料提供

スーパーマーケットの「塩・砂糖」コーナーに行くと、低糖・無糖甘味料(ダイエット甘味料)は必ずおいてあります。値段も安く、携帯用小袋タイプ、粒タイプ(プラスチック容器入りで飲み物等に1粒ずつ溶かす)、家庭用タイプがあるところも日本と同じです。

しかしこういった人工甘味料の存在は日本より身近なのでは?と感じるのは、カフェに行った時です。スターバックス等の大手コーヒーチェーンでは必ず砂糖、黒砂糖のとなりに低糖・無糖の人工甘味料が置かれているからです。もちろん無料です。


↑ピンク色の小袋がダイエット甘味料。

展開されている甘味料ブランドは種類は日本とは異なります。現在イギリスで最も売れているといわれるブランドは下記3つです。


↑Canderel – アスパルテーム含有。


↑Splenda – サッカロース含有。


↑Sweetex – サッカリン含有。温かい飲み物に溶かす粒タイプ。

ちなみにわたくしは「Splenda」を愛用しています。スプーン1杯が砂糖1杯の甘さとほぼ同じなので、料理に使いやすく、甘さがツンツンしていなくて自然です。

低カロリーの飲み物もいろいろ出ています。上記のような人工甘味料が入ったダイエットコーク、砂糖不使用のジュース類はとても一般的です。


↑水で薄めて飲むタイプのジュース濃縮液。アスパルテームとサッカリンを使用。100mlあたり8kカロリー。

*カロリー制限による食事療法向けの食品

これは糖尿病患者用というよりは「ダイエット用」食品ですが、糖尿病の人たちにも人気です。各スーパーマーケットでは必ずカロリーオフの商品を用意しているので、市場に出回っている低カロリー食品は本当に多種多様です。ここでは「テイクアウト用軽食」と「レトルト食品」をご紹介いたします。

●低カロリーのテイクアウト軽食

残業しない代わりにランチは手早く…のイギリス人は、サンドウィッチと飲み物を自分のデスクで食べて昼食を終える人が多いので、カロリー制限を謳ったテイクアウト用ランチパッケージがいろいろ出ています。

こちらはイギリス最大手ドラッグストアチェーン「Boots」のダイエットライン「Shapers」。



低カロリーのサンドウィッチやスイーツ、油で揚げていないタイプのスナックのラインです。


↑チーズ&オニオン味のポテトチップス。さっぱり味で美味しいです。


↑ソルト&ビネガー味のスナック。


↑飲み物+スナック+メインのランチの3点セットを組み合わせて3.29ポンド(約640円)とお得です。

チェーン系のカフェでは、低カロリーマフィン「スキニー(=痩せた)・マフィン」が人気です。


↑これはCost Coffeeの「Veryベリー・スキニー・マフィン」美味しいです。ずっしり重いので軽い昼食になる一品です。

●温めるだけで立派な一品になるレトルト食品

イギリスで最も知名度のあるダイエット用のレトルト食品ブランドは「Weight Watchers」です。イギリス人がいかにも好みそうな食べ物のダイエット版を、豊富に取り揃えていることで知られています。

↑「チキンパイ」320kカロリー.。

↑カレーは国民食の1つです。「チキンキーマ・カレー」338kカロリー

この手の低カロリー・レトルト食品はそのスーパーマーケットでも扱っており、本当に様々な種類が出ています。こういったレトルト食品だけでダイエットしている人が多いのが予想できる充実度です。

最大大手スーパー「Tesco」が出している「Living Healthy」は、1食500kカロリー以下のレトルト食品シリーズです。

↑酢豚セット、435kカロリー。£2.50ポンド(約490円)。

↑同じく「Tesco」のスパゲッティボロネーゼ。440kカロリー。£2.50ポンド(約490円)。


↑大手スーパー「Asda」の1パック400kカロリーのシリーズ。ソーセージ&マッシュポテト、インドカレー、中華等、イギリス人が好きそうなメニューを揃えています。

他にも多数低カロリー系レトルト食品ブランドはありますが、スーパーマーケットで購入出来るものと、オンラインで頼むとデリバリーされるものとの2種類があります。



オンライン購入するとデリバリーされるレトルト食品ブランド「Diet Chef」。
まとめて購入すると、1日分のコストが下がります。

オンライン系の場合、その会社が開発しているダイエットプログラムに加入し、そのデータをもとに3食分デリバリーされるものと(全部温めるだけでよい場合と、材料が送られてくる場合の両方があります)、買いたいものだけチョイス出来る方式のものとがあるのは低カロリー食、ローカーボ食、どちらも共通です。

*糖質制限(ローカーボ)による食事療法

カロリー制限食に比べ、「ローカーボ食品」として販売されているものはまだ少ないのが実情です。とはいえ、数少ないながらも「ローカーボ」を謳うお菓子類やレトルト食品なども出てきています。

●「Atkins」ブランド
ローカーボ食品ブランドの最大手は「Atkins」です。アメリカのブランドですがイギリスでも大きく展開しています。大手スーパーやドラッグストアで広く扱われています。

主力商品はドリンク類とシリアルバーやチョコバー等、バータイプの軽食&スイーツです。


↑チョコレート&ココナッツ・バー


↑チョコレート・ブラウニー


↑ストロベリーヨーグルト・ドリンク

●ローカーボ・チョコレート

「ノー・チョコレート、ノー・ライフ!」というぐらい、イギリス人はチョコレートが大好きです。ですので砂糖不使用のチョコレートが充実しています。ただ、店頭で買えるものはまだ少なく、オンラインが主流ではあります。

ドラッグストア「Boots」で販売されている砂糖不使用のチョコレート。店頭で買えるのでとても便利です。値段は板チョコ1枚で£2(390円)程度なので、通常のチョコレートと変わりません。




↑キャラメルも常時販売されており、人気です。

べルギーの砂糖不使用チョコレートブランド「Cavalier」もオンラインで手に入ります。箱入りから板チョコまで種類豊富です。


↑箱入りチョコレート£7.99(約1560円)

●ローカーボのテイクアウト軽食

ローカーボを試そうとしている人たちが「ランチに何食べたらいいのか分からない!」と嘆いているのをよく聞きます。「パンやパスタ、ジャガイモ等の主食を食べない」「持ち帰りランチに人気なお寿司や中華等のアジア料理を避ける」ことでローカーボの食事はなりたちますが、勤務先や出先でのランチのチョイスが極端に限られてしまいます。

そこで登場するのがサラダとスープです。カロリー制限派にとってもローカーボ派にとっても、大きなサラダパックやスープが手軽に購入できるのは救いです。スーパーマーケットや軽食も出来るカフェで必ず売っています。特に夏はサラダが良く売れるので、種類も豊富です。


↑サンドウィッチと一緒に必ずサラダも売られています。


↑こんな感じのサラダパックが様々なランチ処で売られています。これはフェタチーズのサラダ。


↑スーパーマーケット「M&S」の豆サラダ。お腹がいっぱいになる!と人気です。

野菜をふんだんに使ったヘルシー志向のカフェチェーン「Leon」はとにかくサラダが豊富。その場で食べる事も持ち帰りも出来るので、オフィス街周辺には必ずあります。



サラダを含めたメニュー一覧 →コチラ


↑Leonの「オリジナル・スーパーフード・サラダ」

カフェチェーン「PRET」は毎日複数のスープを用意。週ごとにメニューが変わるので飽きません。




↑人気の「チキン、枝豆、ショウガのスープ」


↑カフェチェーン「Café Nero」の「オーガニック・サンドライトマト&バジルのスープ」と「チキンサラダ」。

ナッツ好きのイギリス人の需要もあり、カフェには必ずナッツの小袋が販売されています。アーモンドはローカーボ派にお勧めです。



●レトルト食品

低カロリー食品に比べ、ローカーボのレトルト食品はまだまだ少なく、店頭で手に入る者はあまりありません。ほとんどがオンラインでの通販です。

最近頑張っているのはこちらのサイトです。
「Carblife」
http://www.carblife.co.uk/

他社製品だけでなく、自社開発のローカーボ・レトルト食品をいろいろ扱っています。ディナー用のレトルト食品 全て一食£5.99(1170円)です。たとえば、


↑「ビーフブルギニョン」


↑「豚肉のマスタードソース」


↑「モロッコ風ミートボール」

一食1170円は高く感じますが、イギリスの貨幣価値では599円という感覚です。低カロリーのレトルト食品よりは若干高めですが、外食よりは安く、手間もかからないのでローカーボ派には人気です。

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イギリスと日本のカロリー制限とローカーボ食を見た時、「日本では当たり前、でもイギリスでは全く見かけない!」ものがあります。それは低カロリー、及び糖質オフのアルコール類です。カロリーオフビール、糖質オフビール、全く見かけません…。


↑いまだアンタッチャブルな存在、ビール。

ビール大好きイギリス人のこだわりなのか、まだ市場導入されていないだけなのか?興味深く、今後を見守りたいと思います。

日本の食に対する意識の高さに比べ、イギリスはまだまだな部分もありますが、どうしても食べたいチョコレート、簡単に買える&食べられるレトルト食品が充実しているのはイギリス人らしい結果だと思います。

カロリー制限の分野は相当洗練された品揃いになっていますが、ローカーボの方はまだまだの様子。今後、ローカーボの動きにも注目したいと思います。

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さて冒頭に書いた糖尿病の父ですが、その後ダイエット以外の食事療法も取り入れ、血糖値、ヘモグロビン数値は格段によくなりました。しか糖尿病による合併症が現在眼に来ており、様々な問題を抱え病院通いの日々を送っています。もっと早くリサーチしていれば…と悔やまれます。

糖尿病の方、糖尿病予備軍の皆様が安心して食べられるものを今後もいろいろ探していこうと思います。

ではまた来月、お目に掛かります~!

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