TOP > ポテンシィマガジン「支援活動」

ポテンシィマガジン「支援活動」

writer

編集者&ライター 川下有希子

だいぶ涼しくなってきましたが、
暑さも長引いていますね。
みなさま残暑バテなどされていませんか。

気がつけばもう9月。
震災からも半年が経とうとしています。
8月末で閉鎖となった避難所も多いようですが、
仮設住宅などへと移るのは、まず外へと踏み出された第一歩。
安心できるおだやかな生活を取り戻していくまでには、
きっと、長い時間を必要とするのですよね。

さて今回の震災で、皆のココロに起こった、
「何かしたい」という気持ち。
義援金や支援金を送る。救援物資を送る。
大きく集めて、大きく届けるというスタイルが多い中、
本当に必要な物を、手から手へ直接届けようと、
立ち上がったフォトグラファーがいます。

わたしが学生時代からお世話になっている、
敬愛する大先輩・岡田久仁子さん。
大阪を拠点に活動する、
女性フォトグラファーさんです。

彼女が、撮影のお仕事と平行して
活動をスタートさせたのは、
まだまだどこも混乱していた、震災直後のこと。
被災地や避難所で、「本当に必要とされているものは何か?」。
とりわけ「女性の本音」を、
陸前高田に住む友人から聞き出して、
集め始めたのが、「Pan2」=パンツなどの下着でした。
その名も「OHKY Pan2プロジェクト」

ツイッターで声をかけ、集まった多くのPan2を仕分けし、
陸前高田へと送り届けるこの活動は、
フリーランスのフォトグラファーである彼女が、
たったひとりで始めたプロジェクトです。

その後、必要な物の種類が増えたり変化する度に、
リアルな声をわたしたちに伝え、
集めては届け続けてきました。
避難所からの「保存がきく同じ味のパンばかりで辛い」という女性の声には、
自分たちがもらって嬉しいようなスイーツを届けたり…。
大きく集めて大きく届けるという方法では
なかなか伝わってきづらい小さな声。
言いにくいけど実は必要な物、
絶対に必要ではないけれどあると嬉しいものなどなど、
生の声を聞いては、被災地に届けてくれました。

また、大阪からクルマで片道15時間ほどをかけ、
陸前高田へも何度か足を運ばれています。
7、8月の暑い最中、陸前高田に向かったメンバーは、
大阪のおでん屋さん「わか芽」さんを含む総勢6名。
到着後は、Pan2などを手渡しで配布したほか、
陸前高田の仮設住宅数カ所で、
炊き出しなども行なってこられました。
仮設住宅に引っ越したのはいいけれど、
配給品などは打ち切られてしまう…、
そんな方たちのために、「少しでもおいしいものを」
そして「手作りのできたてのものを」の思いを込め、
おでんやおそうめんを作ってこられたとのことでした。

岡田サン−1


街の様子はというと、だいぶ落ち着いたようにも見えながら、
実際には進んでいないことも多いのが現実だったよう。
以前はごっそりと積み上げられていた瓦礫が、
今回は材質ごとに仕分けされていて、けれど、
市外に出されたり、処理されたりはされたりはしないまま
置かれているのだとか(8月上旬時点)。
そう聞くと、なぜ…と思わず憤りを感じてしまいますが、
まずは、なによりそういった状況を知ることが大切なんですよね。
被災地に赴き、本当の姿や生の声を伝えてくれること。
岡田さんは、Pan2を届けたり、炊き出しを行なったりしながら、
「被災地の状況や声をこちらに伝える」という、
そういったことも同時にされているのだなあと思います。

岡田サン−2


陸前高田での支援活動は、そのレポートや写真を、
メールなどにて発信され、
大阪に戻ってからは、その報告会も実施。
陸前高田で撮影された写真を拝見すると、
おでんを食べたり、Pan2を受け取ったりしている皆さんの表情が、
本当に素敵なんです。明るい笑顔がいっぱい!
これもきっと、陸前高田の人たちと、
彼女&参加メンバーたち、その両方の、
持ち前の明るさ、元気、たくましさ…などなどの
キラキラとした気持ちが、
互いにあわさっているからなんですよね。
そして、飛び入り参加しているクロネコさんの姿も印象的でした。
(「ほぼ日」の連載「クロネコヤマトのDNA」にあったことが、
実際の姿としてつながりました)

8月末には「陸前高田市 復興街づくりイベント」が行なわれましたが、
そこで使われた「夢あかり」(牛乳パックで作るあかり)も、
「OHKY Pan2プロジェクト!」からツイッターで呼びかけ、
一括して大阪から送ってくださっていました。

被災地とこちらとを手と手でがっちりとつなげ、
足を運ぶことができないわたしたちにでも、
「今できる何か」や、お手伝いの方法を伝えてくれる、
「OHKY Pan2プロジェクト!」。
被災地、と言ってしまうと漠然としてしまいがちですが、
先にいるのが、彼女からつながる陸前高田のご友人と、
そのまわりの方たち…となれば、一気に顔が見えてくる。
パワフルで、豪快で、そしてとってもあったかい。
まわりの皆を楽しく明るく巻き込んで、
大きく広がっていく、
岡田さんらしい支援のカタチです。
岡田サン−3

数多くの支援先がある中、
何かの縁でつながることになった土地やそこに暮らす人たちを、
この先も丁寧に、ずっと応援していく。
これもひとつの方法かもしれません。
震災から半年。
これからも、原発のことや、食の問題、人々の暮らしのことからも、
できる限り目をそらさずに。
ここからまた新たに、いろんなをことを、
皆で考え、動き、進んでいけたらいいですね。


「OHKY Pan2プロジェクト」はコチラ

※写真はすべて岡田久仁子さんによるもの。
岡田サン−4