
2011年11月15日 (Tue)
こんにちは、野菜・くだものコーディネーターの安島です。
先日栗の話を書いた後も、飽きることなく栗と対峙する日々が続いていました。
取り立てて栗に興味がない人からすると、品種がどうであるとか、産地がどうであるとか、マニアックすぎるっ、との声が聞こえてきそうですが、栗好きには重要なポイントなのです。栗はご存じの通り、香りも味も繊細です。
その分、産地や品種、作り手の方の特徴がずしんと表れる食べ物なのですね。一般的には栗の品種名など明記されることなく、栗は栗としてしか売られることがないのですが、栗マニア(というかオタク)としては、栗の品種を確かめたくなるのです。
数多くある品種の中でも、とりわけ「利平」という品種をもてはやされがちなのですが、私の興味の先は利平ではなく「人丸」。
ずっとこの人丸を探していました。
なんでも、日本一の生産量を誇る茨城県・笠間市においても3人の生産者さんしかいないと耳にしたことがあるくらい、その栽培量は少ない。味はとてもいいけれど、とても作りにくい品種があるゆえの、3人という数字なのだそうです。同じ手をかけて、多く収穫できるのであれば、そちらを作るというのも心情としてあるでしょう。
でも、その「笠間でもってしても3人」という小さな数字が、また栗マニアの心をくすぐるわけです。調べれば調べるほど「人丸は美味である」という声ばかり拾えるものだから、会いたくて会いたくて身もだえていたのです。
そんなときに、ひょっこりと人丸が我が家にやってくることになりました。
いやー言ってみるものです。
あまりにも栗が好きすぎて、行く先々で「栗が好きだ、栗くり栗クリクリくり」と連呼するものだから、「安島は栗狂いである」という事実が、皆の頭にインプットされるのでしょうね。
ハピ・マルシェにも出店されていた、栃木県の大山栗園さん。なんと、大山さんが人丸を作っているというではないですか。ハピ・マルシェには出向けないかわいそうな私に、とある方がこの人丸を送って(贈って)くださったのです。
近所の人目さえ気にならなければ、道端で踊りだしそうなほど嬉しかったです。
ずん

これが恋焦がれた人丸、です。
どうしようか。どうしようか。
散々迷った挙句、ひとまずすべて蒸しました。そして、まずはそのまま食べる。
ほんわり、じんわりと栗の香りと味に酔いました。正直なところ、栗好きであるがゆえに、好みの味でない栗は何個食べようとも満たされません。そのまま食べるのには耐えがたく、調味料を加えることになります。でも、おいしい栗は1個でこんなにも満たされるのですね。
「んぁあ~」
と、よく分からない言葉を発しましたもの。おいしくって。嬉しくって。
栗そのものがおいしかったので、最大限にその味を生かそうと、荒くつぶした人丸に甜菜糖を加えて栗餡にし、そこに寒天を加えてぎゅうと固めたおやつにしてみました。
手前味噌ながら、こんなぜいたくな栗のおやつなんて、とほくそ笑んでしまいました。
これは、私の料理の腕ではなく、栗の味がよいからなのですけれど。
おいしい素材は、あれこれ手を加えるべからず、シンプルに食べるに限る、これは前々から思っていることですが、それを再認識したのでした。