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ポテンシィマガジン「つたえたい、料理から」

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野菜・くだものコーディネーター 安島 夏

年末は燻製とともに

2011年12月22日 (Thu)

こんにちは、野菜・くだものコーディネーターの安島です。

クリスマスとお正月と一年の二大とも呼べるイベントを直近に控えた今、いろいろな意味で心がそわそわします。楽しみと焦りと。12月31日も翌日の1月1日も、単なる時間の延長上にあるわけなのですが、一年のうちのどの2日間と比べたって特別な2日間だと感じるわけです(あ、誕生日の前日と当日も特別な感覚でしょうか)。

この時期になると「今年のうちにやっておきたい○○」だとか、「やり残したことはないですか?」といった言葉を、ちらりちらりと目にするので、これに惑わされない! と思いながらも、心の深層で「今年やり残したことないかな…・?」と自問する自分もいるわけです。

食い意地がはっているので、当然ながら食べ物にまつわることで年末年始の予定を確認します。野菜でも果物でもないのですが、年末の恒例行事ではずすことができないのが、燻製しごと。実家の父が上手に燻製をつくる人で、庭に燻製小屋まで構えているほど。年末になると、家族で港に大量の鮭を仕入れにゆき、リンゴやクルミといった木のチップで燻製し、いわゆるスモークサーモンをつくるわけです。鮭だけにとどまらず、チーズやカマボコなども安価なものでも香りをまとうだけで、上質な味わいに変わるのでやめられません。自宅で燻製をすることに馴染んで育ったせいか、実家を出た今、自分の家でも年末になると「そろそろ燻製でも」という気持ちが訪れます。



 

私の家では、大きな鮭を燻す場所を設けることができないので、簡易にフライパンで燻製をつくります。市販の燻製キットもありますが、我が家のものは使い古したフライパンに焼き網、そしてボウル。ここの燻製チップと燻したい食材さえあれば、簡単にできるのです。

フライパンの底にアルミ箔をひき、その上にひとつかみの燻製チップをどさり。焼き網の上に、食材をのせてボウルでふたをして弱火にかけるだけ。火を入れて数分もすると、木のいい香りがその場に広がります。逆にいえば、キッチンはもとより部屋全体が数日間は燻製の香りが離れないわけなのですが…。じっくり中まで火を通すのであれば、時間を要しますが、香りをつけるだけでよければ、10分程度でも簡易な燻製が出来上がります。豚のかたまり肉、鶏もも肉、サンマやアジなどの青背の魚もおすすめ。燻製にした豚バラ肉と、ごぼう、れんこんなどの根菜を蒸した料理も我が家の定番です。香りというのは、こうも大きな力を発揮するものかと驚くばかりです。



 

こうして書いているうちに、早く燻製をつくりたくてうずうずしてきました。食べものとめぐる季節、そして年末。まだ少し早いですが、どうぞよい年をお迎えください。

 

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野菜・くだものコーディネーター 安島 夏

栗「人丸」が我が家に

2011年11月15日 (Tue)

 こんにちは、野菜・くだものコーディネーターの安島です。

先日栗の話を書いた後も、飽きることなく栗と対峙する日々が続いていました。

取り立てて栗に興味がない人からすると、品種がどうであるとか、産地がどうであるとか、マニアックすぎるっ、との声が聞こえてきそうですが、栗好きには重要なポイントなのです。栗はご存じの通り、香りも味も繊細です。
その分、産地や品種、作り手の方の特徴がずしんと表れる食べ物なのですね。一般的には栗の品種名など明記されることなく、栗は栗としてしか売られることがないのですが、栗マニア(というかオタク)としては、栗の品種を確かめたくなるのです。

数多くある品種の中でも、とりわけ「利平」という品種をもてはやされがちなのですが、私の興味の先は利平ではなく「人丸」。

ずっとこの人丸を探していました。

なんでも、日本一の生産量を誇る茨城県・笠間市においても3人の生産者さんしかいないと耳にしたことがあるくらい、その栽培量は少ない。味はとてもいいけれど、とても作りにくい品種があるゆえの、3人という数字なのだそうです。同じ手をかけて、多く収穫できるのであれば、そちらを作るというのも心情としてあるでしょう。

でも、その「笠間でもってしても3人」という小さな数字が、また栗マニアの心をくすぐるわけです。調べれば調べるほど「人丸は美味である」という声ばかり拾えるものだから、会いたくて会いたくて身もだえていたのです。
そんなときに、ひょっこりと人丸が我が家にやってくることになりました。

いやー言ってみるものです。

あまりにも栗が好きすぎて、行く先々で「栗が好きだ、栗くり栗クリクリくり」と連呼するものだから、「安島は栗狂いである」という事実が、皆の頭にインプットされるのでしょうね。

ハピ・マルシェにも出店されていた、栃木県の大山栗園さん。なんと、大山さんが人丸を作っているというではないですか。ハピ・マルシェには出向けないかわいそうな私に、とある方がこの人丸を送って(贈って)くださったのです。

近所の人目さえ気にならなければ、道端で踊りだしそうなほど嬉しかったです。

ずん



これが恋焦がれた人丸、です。
どうしようか。どうしようか。

散々迷った挙句、ひとまずすべて蒸しました。そして、まずはそのまま食べる。

ほんわり、じんわりと栗の香りと味に酔いました。正直なところ、栗好きであるがゆえに、好みの味でない栗は何個食べようとも満たされません。そのまま食べるのには耐えがたく、調味料を加えることになります。でも、おいしい栗は1個でこんなにも満たされるのですね。

「んぁあ~」

と、よく分からない言葉を発しましたもの。おいしくって。嬉しくって。

栗そのものがおいしかったので、最大限にその味を生かそうと、荒くつぶした人丸に甜菜糖を加えて栗餡にし、そこに寒天を加えてぎゅうと固めたおやつにしてみました。

 

手前味噌ながら、こんなぜいたくな栗のおやつなんて、とほくそ笑んでしまいました。

これは、私の料理の腕ではなく、栗の味がよいからなのですけれど。

おいしい素材は、あれこれ手を加えるべからず、シンプルに食べるに限る、これは前々から思っていることですが、それを再認識したのでした。

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料理家 渡辺裕美子

こんにちは。
料理家の渡辺裕美子です。

食が好きになると、人が好きになる
そんな料理の魅力に取りつかれ、いつしか「食」がライフワークになりました。

なんて紹介させていただくと、毎日気の利いたものを作っているのですね!と
言っていただくことが多いのですが…
みなさんと同じく、日々の食卓を考えるのは時に難しく(苦笑)

そんな時は、ちょっと変わったお野菜、季節感のあるお野菜を投入!
今回の助っ人は「ピーナッツかぼちゃ」です。
「ピーナッツバターかぼちゃ」「バターピーナッツかぼちゃ」と呼び方は色々。
大振りなイメージですが、購入したものは片手にすっぽりとはまる大きさで
なんとも、可愛らしい。

新潟の大潟村で栽培されたもので、持ち帰りやすさを意識して
小さいものを出していると伺いました。
大きな湖を開拓してつくられた村は、土壌が肥沃で
栄養を多く必要とする、かぼちゃ栽培にはうってつけ。
日本版ハロウィンならぬ、「ジャンボかぼちゃ祭り」もあるそうです。

早速、調理!まずは応用の利くペースト作り。
皮を剥いて薄切りにし、飴色玉葱を作るようにじっくりと厚手の鍋で炒めながら
甘みを引き出していきます。
「美味しくなれ~ 美味しくなれ~」と念じながら…
崩れて自然とペースト状に。
さらっとした食感ながら、風味はしっかりとしているので
スープにするにも、水と塩 少量の牛乳or豆乳で伸ばしてシンプルに。

スープにひと手間、卵を混ぜて蒸すと「かぼちゃのフラン」の完成です!
いわゆる、洋風「茶碗蒸し」ですね。

だまって出すと、プリン? 茶碗蒸し? 一口食べると… あ、かぼちゃ?
ちょっとしたサプライズ。

残ったペーストで、混ぜて蒸すだけの簡単「かぼちゃ饅頭」を。
形がかわいいと、思わずこんなお菓子も作りたくなります。

日々の食卓に、ほんのりと潤いを。
今後も、皆様と色々な情報や思いを共有できたら と思います!

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野菜・くだものコーディネーター 安島 夏

食べ物とともにめぐる季節

2011年10月14日 (Fri)

 

はじめまして。

食卓まわりの編集・ライター、ときどき料理もする安島夏と申します。

朝はおなかがすいて目が覚め、

はて、今日は何をどうやって食べようかということばかり、脳内をぐるぐるとめぐる毎日。

平たくいえば、単なる食いしん坊なのですね。

でも、食いしん坊がゆえに、せっかく何かを食べるなら

おいしく、楽しく食べようじゃないかというのがモットーです。

春はふきのとう味噌に始まり、初夏の新しょうがの甘酢漬け、そして梅酒を仕込み…

と、季節の手仕事をすることがライフワークとなっています。

作りだしてみると、意外と自分で作れる加工品が多いこと。

もちろん素材は個体差があるので、同じ農家さんのものを使って仕込んでも

その年によって出来上がりが異なり、それもまた楽しい経験です。

旬だ、旬だと声高に叫ぶつもりはありませんが、

素材から自分で加工品を作ることを何年も繰り返すうちに、

やはり人は、自然や季節に寄り添って生きているのだと感じるようになりました。

トマトのように、一年中手に入るものがあります。

これはこれで、とっても便利でありがたい。

でも、やはり元々の旬の時期にしか手に入らないものもあります。

毎年梅雨の気配がするようになると、梅はまだか、梅はまだかとそわそわしだし、

夏の暑さがひと段落しようかという頃になると、栗は落ちたか、落ちたかと気にしだす。

体にしみ込んでいるのですね。

そんな自分が嬉しくもあります。

今、この時期は栗のことばかり考えています。

今年は、和歌山県の農家さんから栗をお取り寄せし、定番の渋皮煮を作りました。

栗は単なる「栗」として売られることが多いのですが、

じつは色んな種類があります。よくよくかぎ分けてみると、個性があるのです。

今回は、銀寄という品種を頼みました。

中から、ごろごろと栗の音がする箱を開けてみると、

「おまけでどうぞ」というお手紙つきで、「利平ぐり」という品種も一緒に入っていました。

このサプライズ感は、小躍りしたいほど(実際は軽く叫んだ)嬉しいものでした。

栗に特別関心がない人にとっては、栗は栗でしょうがーということになるのでしょうけれど、

並べてみると、見た目だけでも違いがあります。

ちなみに、左の黒々としているのが「利平ぐり」、右が「銀寄」です。

 

さて、今回の渋皮煮。

基本の甘みは甜菜糖でつけ、おまけでメープルシロップをちょろり。

今までで、一番自分好みの味に仕上がりました。

これは危ない。

何が危ないって、食べすぎてしまうこと。

誰にとがめられるわけでもないのに

「あと一粒だけにするから」

と一人ごちながら、口に運んでしまうのです。

 

そのまま食べるもよし、ペーストにして生クリームとあわせてしぼり、モンブランにするもよし。

マスカルポーネチーズと併せてパンにのせて…と、心おきなく、好きにアレンジできるのが幸せです。

こうして書いているうちに、また脳内が渋皮煮の欲求で占拠され始めました。

というわけで、今回の食いしん坊ばなしはここまで。

またこれからも、どうぞ食いしん坊ばなしにお付き合いくださいね。

 安島 夏

http://sayfsayf.exblog.jp/


■ つながって、ちょっとイイこと、イイものを。
「ハピ・マルシェ」にも 素敵な栗のつくり手 大山栗園さんが出店しています♪
詳細はこちら→ http://www.dreamnews.jp/?action_press=1&pid=0000039766

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野菜料理研究家 新田美砂子

はじめまして。野菜料理研究家・食と農コーディネーターの新田美砂子です。

野菜料理家っていうと、野菜を使ったお料理を教えている人というイメージが
普通だと思います。私もはじめはそんな意識で教室やお仕事をしていました。

でも、野菜は知れば知るほど奥深く、それぞれ個性があって
多種多彩なんだということに気づかされました。

もっと野菜のことを知りたい、どのように美味しい野菜って作られているんだろう・・・と考えていると、
いつの間にか、畑や作り手(生産者)の
方々とお付き合いする事が多くなっている自分がいました。

わたしの会社コートヤードでは、「畑の野菜を美味しい一皿に」をテーマとしています。

野菜の魅力や個性を最大限に引き出して、食べるシーンや食べる方に合わせて
表現していくことが、おいしく、たくさん野菜を食べていただくことにつながるのではないかな
という想いで、お仕事をさせていただいています。

たとえば、今が旬のキュウリ。

同じ品種でも、そのときの状態によって、本当に味も違うし、皮の色も違うし、
皮が厚めだったり、種が多めだったり、味がボケ気味なんてことも・・・
その時々にいろいろな表情がありますね。

その表情に合わせて、ちょっといつもと違った切り方や、火の入れ加減や調理の仕方で

美味しくなっていくのが、野菜の面白さであり、奥深さかなと思っています。

旬のキュウリ

私が今携わっている少量多品目の野菜を生産しているコスモベジタブルガーデンでは、

現在6種類以上のきゅうりを栽培していますが、品種ごとに、それぞれ全く違う個性を持っています。

ゴールデンスーヨー きゅうり

例えば、このきれいな薄緑色のゴールデン四葉キュウリは台湾系のキュウリ。

生のままだとシャキシャキ感もなく、ちょっと粘りがある感じのキュウリで、
味は悪くはないけれど、今ひとつかな~という印象です。

でも、油でさっと炒めると、適度に歯ごたえもよく、甘さも出て、なんとも
味わいが出てくるから不思議。(中華料理では、キュウリを炒めることがよくあります)

生ではパッとしない存在でも、加熱をするとググっと個性が生きてくる
そんな特徴をもっているのがこのキュウリです。

人間も適所に身を置くと、その人がグッと光ることがありますが、
それと同じなのかもしれませんね。

ゴールデン四葉きゅうりと豚肉、畑の野菜の塩炒め

ゴールデン四葉きゅうりと豚肉、畑の野菜の塩炒め

また、加賀太キュウリは加賀の伝統野菜のひとつ。

加賀太キュウリ

大きくて、皮はちょっと硬め。地元石川県では、酢のものや、あんかけにしたり、
煮物にしたりします。

このキュウリはお店やマルシェで、ただ陳列しているだけでは、

多分「大きくて面白いキュウリね~」というだけで、ほとんど買ってはいただけません。

作り手が丹精こめた野菜を買っていただくためには、どうやって食べたらいいのか、

お客様に具体的にイメージしていただけるような説明と「美味しい!私でも作れそう!」と思っていただくようなシンプルでなるべく簡単な料理を提案することが大切なのではないかなと思っています。

先日マルシェで、どこのご家庭にもありそうな、
市販の麺つゆ+鰹節でこの加賀太キュウリを煮て、冷やして試食をお出ししました。
試食した方はまず全員購入して下さいました。「
今晩、うちで作ってみるわ~」とおっしゃっていただけると本当に嬉しいものです。

 加賀太きゅうりの冷鉢

作り手の農産物のよさを「料理」を通して伝えることを核としながら、より魅力的な

商品にしていくことのお手伝いをし、それが同時に、
消費者の方々の食卓で、その野菜が美味しい一皿になっていくことにつながることが、
作り手も食べ手もHAPPYになっていくことではないかと思っています。
そのために、お役にたてる存在でありたいと願っています。


有限会社 コートヤード www.courtyard.co.jp